4000mSvを浴びる その1


骨髄移植では、ドナーの造血幹細胞を注入する前に、全身に放射線を照射して、自分の造血組織を全て殺してしまいます。その放射線量は、通常の骨髄移植では12000mSv(ミリシーベルト)、ミニ移植と呼ばれる私が受ける骨髄移植では、4000mSvになります。白血病細胞まで完全に殺すには、12000mSvが必要なのですが、55才以上の高齢者には、12000mSvは強すぎるので4000mSvにする。白血病細胞は生き残るかもしれないが、ドナーの幹細胞が生着すれば、ドナーのリンパ球が殺してくれるので、それを期待するのです。

下図は、放射線量とその影響を図に示したものです。

福島の除染レベルは、1mSv/年という値を目標としていますが、それは病院で胃のX線検診を1回受ければ浴びる放射線と同じくらいです。X線CTでは7mSv/回ですから、私など何度もX線CTを受けている患者は、年間20mSvをそれだけで軽く越えているでしょう。

世界の高線量地帯では、年間10mSvは普通で、ラムサール条約で有名な温泉保養地では年間71mSvに達します。それらの高線量地帯に住む何世代にもわたる人々の疫学調査を、多くの研究者が行っていますが、全く健康に影響ないという結果です。世界的な常識では、100mSv/年でも問題ないが、除染については20mSv/年を目指せば十分であろうというもの。それらと比べて、福島の除染目標値の1mSv/年がいかに低い値かが分かります。 実際、1mSv/年という値の設定には何ら科学的根拠がなく、来日したIAEAの調査団は、1mSv/年という値に呆れて、『年間1mSvという目標にこだわる必要はない』という内容の勧告を出しています。

そのために、3.6兆円もの国費を浪費しているのは、民主党政権の行った悪政のひとつです。単に国費を浪費するばかりでなく、被災者の帰還を困難にして被害を大きくしたのです。

原子力施設については、敷地境界で0.05mSv/年です。つまり、自然放射能2.4mSv/年と比較して問題にならないくらい低い値に抑えています。原子力施設の放射線作業従事者に対しては、50mSv/年が線量限度ですが、実際にもし、1mSvを浴びたとすれば、通常の原子力施設では大問題になるでしょう。

つまり、医療関係の放射線量に対して、原子力施設の放射線量の管理はより厳しくなっていますが、これは医療では診断というメリットと放射線障害のデメリットと比較して、メリットの方が大きいと考えられているからです。

さて、同じ線量を浴びた場合、短時間に浴びた方が長期間にわたって浴びるよりも障害が大きいことが分かっています。これを急性被爆といいますが、長崎や広島の被爆者の長期調査によれば、放射線の影響は、100mSv以下では認められず、100mSvを越えるとガン発生率がわずかに増えてくるというものです。

急性被爆の場合、リンパ球減少などの明らかな臨床症状が出てくるのは、500mSvくらいから。1000mSvで水晶体の混濁が始まり、3000mSvで脱毛が始まります。

4000mSvは半数致死量。つまり、放射線を浴びた人の半数は、この線量で死に至ります。その原因は、造血組織の破壊で、白血球減少や血小板減少のため感染や出血で死に至る訳です。

8000mSvは全数致死量。造血組織だけでなく、腸の絨毛など消化器が破壊されて死に至ります。

15000mSvを越えると、中枢神経に障害を生じて、人は1-5日以内に死亡します。

などと、今まで、講演会などで説明してきましたが、まさか自分自身が4000mSvという線量を浴びることになるとは思いませんでした。これは是非、どのような症状が出るか、実況レポートしたいと思います。照射予定日は、12月12日です。

4000mSvを浴びる その2に続く