花のシンガポール

Singapole in flower


目次

  1. 旅行の概要
  2. 日程について
  3. 旅行案内書について
  4. セントーサ島
  5. 環境
  6. 治安
  7. 食事
  8. シングリッシュ
  9. 物価
  10. ショッピングセンター
  11. シンガポール本島
  12. ディナークルーズ
  13. 通信環境
  14. 感想
  15. おわりに


●旅行の概要
種別:家族旅行
期間:6泊7日
滞在地:シンガポール、セントーサ島
登場人物:パパ(41才、O型、特徴はヒゲ、以前スキー場で熊と間違えられた)
     ママ(??才、A型、買い物が得意、美人←書けと命令されたので)
     紘子(娘、14才、のんびりやさん、常識に欠けるところが心配)
     悠 (息子、7才、元気印、ファミコン、ドラゴンボールが好き)
日程:12月23日 成田発 シンガポール着
      24日 午前中市内観光 午後セントーサ島へ
      25日 セントーサ島
      26日 セントーサ島
      27日 セントーサ島
      28日 シンガポール市内へ
      29日 シンガポール発 成田着

●日程について

 家族旅行なのだから出来る限りゆったりとした日程にしようということでツアーを捜した。機内泊のあるコースは避け、かつ1カ所に最低4日は滞在できるツアーという条件で旅行雑誌をひっくり返した。ところがこれが無い。シンガポールは5日間(4泊5日)が普通で、それより長いツアーになると香港とかプーケット島とかが付いてしまって却ってハードスケジュールになってしまう。基本をシンガポール5日間のコースにして延泊を頼むと、年末年始は基本的に無理とのこと。最初に頼んだ旅行社は仮予約を入れてから10日間も連絡が無く、電話すると「1カ月前にならないとわからない」との答え。で、そこを断り、何社か別の旅行社にあたって、結局「探してみます」という返事をくれた旅行社に頼んで「セントーサ島5日間」というコースを7日間にしてもらった。
 昔の観光旅行じゃないのだから、もっとリゾートっぽいツアーが沢山あっていいと思う。静養が目的なのに、動き回ったあげくに疲れてしまったのでは金と時間のロスである。いいところ1カ所に長期間滞在して、しかも経済的な、そんなツアーを組んで欲しいと思う。

 ともかく、シンガポール市内に2泊、セントーサ島に4泊する日程にしたが、結果的にこれは大成功。セントーサ島は後で書くとおり島全体がリゾートになっており、例えていうとディズニーワールドのような感じ。リゾート施設が豊富で、4日間では足りないくらいであった。パパとママはゆっくり静養できるし、子供たちはプールで泳いだり、自分たちだけで水族館や遊園地に行ってごきげんであった。

 ただ、ママはシンガポール市内の買い物の時間が少なかったとやや不満顔。見て回るのに2日、買って回るのに1日は必要とのことであった。確かに以前にある女性に聞いたら「1週間でもショッピングセンターを回りきれなかった」と言っていたものなあ。

●旅行案内書について

 初めてのシンガポールなので、準備の良いパパは旅行案内書を買い集めた。
手に入れたのは、
1.世界の本シリーズ12「シンガポール・マレーシア」 日地出版 \1380
2.地図の本シリーズ 3「マップちゃんinシンガポール」 日地出版 \1010
3.地球の歩き方19「シンガポール」 ダイヤモンド社 \1480
4.るるぶ 海外情報版6「シンガポール」 JTB \930
5.JTBポケットガイド122「シンガポール」 \1200
6.JTBフリーガイド24「シンガポール」 \1450

 結論から言うと、一番役にたって、現地にも持っていったのが「地球の歩き方」と「るるぶ」であった。1,2は写真は綺麗なのだが買い物やレストランが主で、地理を把握したり歴史、習慣、治安情報など、旅行するのに重要な情報が抜け落ちている。また、5,6は版が悪いのか情報が古く、また書き方が散逸で解り難い。
 旅行案内書全般にいえることだが、ある国を訪問するのなら、その国の歴史や習慣を予備知識としてもっているのが礼儀であり、また本当にその国を理解し楽しむために必要だと思う。高級レストランや有名ブティックの情報だけが重要じゃないでしょう。

 また、百の文章よりもよく分かる地図(できれば全体の見取り図)が優る。だらだらした文章に局所的な地図がついていても役に立たない。さらにその地図の方向がまちまちだったら混乱するだけである。地図については、上が北で縮尺が付いているという最低限のルールは守って欲しいと思う。
 とかなんとか言いながら、シンガポール市内で歩き回るのに本当に役に立ったのは現地で手に入れたパンフレットでした。特にオーチャードロードでの買い物には、これが一番。全体の地図と全ての店が書いてある。人に頼まれて沢山もらって帰ったので、私あてにメールを頂ければ余った分をお送りします(無料)。

●セントーサ島

 セントーサ島はシンガポール本島の南に隣接して浮かぶ周囲10kmあまりの小さな島である。島全体がリゾートになっており、南国の緑と花の中に遊園地、水族館、各種の博物館、公園、白砂のビーチ、噴水、昔の要塞跡など、さまざまな観光施設がある。島には2つのホテルがあるが、そのうちのひとつ、ラサ・セントーサ・リゾートホテルが今回滞在するホテルである。シャングリラ系のホテルであり、シンガポール唯一のリゾートホテルというだけあって、大きなプールとそれに続く美しいビーチをもっている。

 島の中は、一周7kmほどのモノレールが走り、それとバス、蒸気機関車の形をした乗り物などでどこへでも行ける。入島料4ドル(約280円)を払って島に入ると、これらの交通機関は乗り放題である。
 島のホテルの宿泊者は入島料は無料、というかホテル代に含まれていて、島からシンガポール市内へ出ていく時にはホテルで入島チケット(無料)をもらっていくとフリーパスで入れる。
 島に入る方法としては、対岸の世界貿易センター(World Trade Center)からバス、フェリーが出ている。それと、橋を通って徒歩で入る方法、ケーブルカーで入る方法もある。バスが一番早いけれども、お勧めはケーブルカー。スキー場の6人乗りのゴンドラみたいなもので、ともかく長くて、高い。セントーサ島はもちろんシンガポール市内まで見渡せて結構いいながめである。昼も良いけれど、夜が最高(9時まで運転)。セントーサ島のいろいろな施設がライトアップしているし、シンガポールの夜景、船の灯などでとてもきれいだった。

 クリスマスホリデーの期間中だったので、観光客だけでなく地元の人が多く、かなり混雑していた。毎日11時くらいから4時くらいまでモノレールは駅によっては長蛇の列。ただ、バスで隣の駅に行けばゆっくり乗れたりするので工夫次第で快適に動き回ることができる。

 セントーサ島では午前中の混雑していない時に動き回って、午後はホテルでゆっくり過ごすというペースで過ごした。悠くんは暇さえあればホテルのプールで遊ぎ、ママは部屋でのんびり、紘子は自分で水族館へ行ったりホテルのショップで買い物、パパは悠くんの面倒をみるという過ごし方であった。(これって、日本での休日とあまり変わらないなあ)

 セントーサ島の観光施設についてのコメント・・・

 Underwater World (水族館):これはなかなかのもの。紘子はシンガポールで一番気に入った。単に熱帯の魚が綺麗なばかりでなく、動く歩道に乗って水槽の中のトンネルを回っていくという趣向がいい。セントーサ島では必ず訪れるべき。

 Pioneers of Singapore & Surender Chambers (開拓者博物館):別名ろう人形博物館。広くて設備もしっかりしていて訪問する価値はある。少なくともロンドンやサンフランシスコのろう人形館よりも面白い。歴史の勉強にもなるし。

 World Insectarium (世界昆虫館):ビデオカメラを持っていたら3ドル要求されたので「私は決して中で撮影しない」と主張してカメラを預けた。これは失敗。中でサソリや大型のかぶと虫を胸につけてもらって撮影できるところもあり、また、館の中は以外と広くて撮影ポイントが沢山あり残念な思いをした。

 Asian Village (アジア村):大きな施設。アジア各地の建物、劇場、池が広い敷地内に並び、ショーを見たり、まともに回っていると1日かかる。ママはショッピング街のシルクの店が気に入って、2着ブラウスを買った。あとでシンガポール市内で買い物をした後も、あそこでもっと買っておけば良かったと後悔している。悠くんはアドベンチャーアジア(遊園地)でいろいろな絶叫マシーンに乗ってごきげんであった。

 Musical Fountain (噴水):これは絶対、夜訪れるべき。非常におおがかりな噴水集合体で、毎晩、音楽にあわせた噴水ショーが催される。神秘的なほど綺麗で、紘子とママはうっとりしていた。最初、手前の噴水だけで「きれいね〜」とか言っていたら、奥にもっと大規模な噴水があった。

 その他、ビーチ、第二次世界大戦の砦の跡、ゴルフ場、蘭の公園、石の博物館などなどいろいろな観光施設があって、1週間くらいは飽きないで過ごせますね。

●環境

 熱帯の島なのに、害虫や蛇などが全くいないのが不思議である。ホテルのビーチにあるレストランで夜に食事をしたり、プールサイドにいても、1匹の虫も来ない。ジャングルがあって、これだけ暑ければ、ふつう明かりに誘われて蛾とかの昆虫が来るはずなのに。勿論、虫がいないほうが快適なのだけれど何か不自然な感じもする。よっぽど環境対策を徹底的にやって、害虫類を絶滅させたのだろうなあ。
 ともあれ、夜も短パンTシャツでいても蚊に喰われることもなく快適であった。

 気候も快適。今のシーズンは雨期で1日1回スコールがあると聞いていたけれども、初日に1日中雨がしとしと降った以外はくもり時々晴れで、雨をみることはなかった。適当な暑さで、外を歩いているとすこし汗ばむが、各施設の冷房がよく効いているので暑くて過ごしにくいということは無い。

 「湿度は少なくてからっとしている」と本には書いてあったけれど、滞在中は結構な湿度。ママが頑張ってホテルのバスルームで洗濯をしたけれども1日たっても乾かなかった。で、しょうがないのでホテルのランドリーにシャツから下着まで全部頼んだ。
ママ「買ったほうが安いのに・・・」

●治安

 政府の規制が厳しいためか、治安は極めて良いように見受けられた。身の危険を感じたことが無いのは勿論のこと、盗難の心配もしなかった。一度、悠くんが財布をシンガポール市内のホテルの中で落としたのだが、フロントに尋ねるとちゃんと届けられていた。
 ふつう観光地というと、観光客にたかる輩がたくさんいて、タクシーなども遠回りをしたり過大な料金を請求したりという問題があるが、今回はそういう経験は皆無であった。タクシー、レストランなど明朗会計でわかりやすい。
 オーチャード通りなどの繁華街では、観光客に日本語で話しかけてくるあやしげな人物もいるようだが、時計屋さん以外には声をかけられなかった。時計屋さんは日本人とみると「ミセモノトケイ、ミルダケネ」と話しかけてくる。本物と偽ってイミテーションを売ると重い罪になるとかで、ちゃんと「にせもの」というところが面白い。

 ホテルの中はもちろん、セントーサ島の中は観光客と正規の従業員だけなので極めて安全なように思えた。米国では牛乳の紙パックに印刷されている誘拐された子供の顔写真と「Missing」という文字におびえ、子供の手を常に握っていたママもここではのんびり。子供たちだけで水族館へ行かせたり、買い物をさせたり自由にふるまわせていた。

 シンガポール市内でも浮浪者やあやしげな人物は皆無。深夜のオーチャード通りはクリスマスイルミネーションの中、人通りも多いし、一人歩きの女性もたくさんいて、とても安全なように見受けられた。

●食事

 食事はなかなかのもの。一般的に日本人の(少なくとも我が家の)口にあう。中華料理が主だけれど上海、台湾系統で海鮮料理が多く、味付けもさほど辛くない。というか、一般的にむしろ薄味である。毎日、朝食はホテルのカフェで、昼食はホーカーズ(屋台集合体)で食べ、夕食はレストランへ足を運んだ。

 24日のクリスマスイブはレストランで食事をする人が多いみたいで、ホテルのレストランはどこも予約で一杯であった。唯一、席があったレストランもクリスマス特別企画というので1人前110ドル(\7700)。時間が遅く、途中から行っても勿体なかったのでこの日だけはルームサービスを頼み、ホテルの部屋で食事をした。

 ルームサービスで、サラダ2、スープ2、海鮮グリル1、ステーキ1、デザート2、コーヒー、ビール、それに子供たちのディナーセットを2つとり、テーブルに花まで添えて届けてくれて135ドル(約9500円)。安い!

 3日目はホテルのビーチにある屋外レストランで食事。

 4日目はシンガポール市内に出て、オーチャード通りの伊勢丹スコットの中の日本料理店でテンプラ、さしみ、茶碗蒸しなどを食べて4人で95ドル(約6600円)。安い!

 5日目は船に乗ってディナークルーズ。これは後で詳しく。

 6日目は、ラッフルズホテルと並ぶ高級ホテル、GoodWood Park Hotelの中華レストラン。ここでは、危うくフィンガーボールをスープと間違えて飲もうとしてママにたしなめられる。だって、グラスに透明な水ならフィンガーボールと思うけれども、立派な容器に茶色の液体(ウーロン茶かなにか)が入ってくるんだもんなあ。金の箸だし、超高級。
 味はよかったけれども値段もかなりなもの。大人2人のフルコースに子供たちにいろいろなメニューをとって280ドル(約2万円)だった。高い! でもまあ、日本でこんなレストランで食事をしたら、この2〜3倍はとられちゃうでしょう。ウン。

 残念だったのは、チャイナタウンの中華レストランで食事ができなかったこと。安くておいしいと聞いていたのに。シンガポール市内ではショッピングに忙しく、どうしても時間がとれなかった。

 ホーカーズは、セントーサ島にも比較的大きなもの(屋台が30軒あまり)があり、 昼食はここで十分だった。特別なもの以外は1皿3−5ドル(300円くらい)なので、家族全員でも2000円あればお腹がいっぱいになる。椰子の実を冷やしたものにストローを突っ込んだ飲み物が2ドル(140円)。ママと紘子はこれにチャレンジしていたが、あまりおいしいものではない。悠くんは、保守的な人間なのか、近くにあったキングバーガーのハンバーグとオレンジジュースが一番好きであった。

●シングリッシュ

 とまどったのは、シンガポールの英語。すべての人は英語をはなし、不便はないのだけれどかなり聞き取りにくい。聞くと、シンガポールの英語はシングリッシュといって、英語と中国語などが混じった言葉だそうだ(冗談)。前に、フィリピンバーで「You is very kindネ」と言われてとまどったことがあったけれど、それに近い。文法は不正確で時制がはっきりしないし、発音がなまっているし、語尾に変な言葉がついていたりするので想像力を働かせる必要がある。

 「これ、いくら?」
 「エイピー」
といわれて、ああ「eighty」だなと理解するのに時間がかかる。

 また、部屋番号「1113」を「Eleven - Thirteen」と言っても理解されず、「ワン、ワン、ワン、(オレは犬か!)、ツリー」と言わないといけない。いわゆるTHの音が出せないようで、舌をかんで正確に発音していたらダメ。中国語の感じで発音すると理解される。

 ママは、「Mixed Omelette」と言って聞き直され、後ろの日本人のおばさんが大声で「目玉焼き!」と言ったら理解されていたので英語に自信をなくしかけた。

●物価

 シンガポールに来ると、如何に日本の物価が高いかがわかる。人件費が違うのだからしょうがない、という以前の問題があると思う。シンガポールやマレーシアで作っているものが安いのは当然として、セリーヌ、クリスチャンディオール、シャネルとかの世界の一流品が日本よりはるかに安い。最近、日本でもディスカウントショップなどで安売りをするようになったけれども、それよりも安い。
 この道のプロのママによれば、世界の一流品に関してはデパートや高級専門店で日本のディスカウントショップよりも少し安く、雑居ビルの小さな店で交渉するとそれのさらに6割になるそうだ。
 シンガポールブランドのバッグや靴、装飾品は更に安くて、かつデザインや色の素敵なものがあるということで、ママは蛇皮の靴、皮のバッグ、財布などを買い込む。紘子も街角の装飾品の屋台をはしごして、「これ安い!これステキ!」と騒ぎまくっている。とうとう、最終日はパパと悠くん、ママと紘子、と男性軍・女性軍に分かれ、男性軍は遊園地回り、女性軍は買い物ということになってしまった。

 「ママの足は何本あるんだろうね、首はいくつあるのかな」
などどいいながら、夕方に合流すると、何と毛糸のセーターまで何着も買い込んでいる。
「これね、ベネトンよ! 日本で1〜2万するのに4000円よ!」
「この財布、いいでしょう。グッチなんかよりしゃれていて、何と5000円よ!」
と、半狂乱になっている。

 紘子もいろいろな装飾品の他、航空便の封筒などの文房具も買っていて、
「これ、日本にもあるでしょう」
というと、
「だって、日本よりずっと安いのよ!」
荷物を日本までもって帰る人の身にもなってほしいものである。

 ともかく、シンガポールが買い物天国であることは間違いない。
パパがそれよりも感心したのは、タクシーなどの交通料金、食費、観光施設の入場料、スーパーマーケットの一般雑貨などの安さ。

 例えば、タクシーはシンガポール市内なら10−15分乗って5ドル(350円)、シンガポール市内から動物園まで高速道路を飛ばし、35分くらい乗って12ドル(840円)。1時間タクシーをチャーターしても20ドル(1400円)。3時間チャーターすると50ドル(3500円)で観光案内はしてくれるし、観光地ではじっと待っていてくれる。家族4人で移動するのに、日本のバスよりもずっと安い。
また、セントーサ島の入島料が4ドル(280円)であることはすでに書いたが、その他の観光施設、動物園とか、ハウパービラとか、クラークセンターとか、水族館、博物館とかの入場料も3ドルから10ドルちょっとで、殆ど負担にならない。

 スーパーマーケットの各種食品、日用雑貨についても日本よりはるかに安く、不思議な感じ。シンガポール国内で生産されるものは少なく、ほとんどが外国からの輸入なんだから、同じように食品輸入国である日本と同じ値段になるはずなのに。日本の関税と流通機構に問題があるんだろうなあ、やっぱり。

●ショッピングセンター

 有名なオーチャード通りにそって、いくつものショッピングセンターが並んでいる。観光案内書に書いてある伊勢丹オーチャード、スコット、高島屋、マンダリンなどの高級専門店もいいけれど、やはり買い物の醍醐味を堪能するには、地元の人が訪れる店が一番。
 パパが最初に行ったのは、中心街のLucky Plaza(幸運商業中心と中国語でビルの横に書いてある・・・好きだなあ、この中国語の感覚)。小さな店がぎっしりの雑居ビルで、値札は殆ど無くて、交渉で値段を決める。買う気がなくて、ゲーム感覚で値段交渉をしたあげくに、「予算があわない」といって帰ろうとすると、どんどん値切ってくる。ここは、観光客が多く、最初は観光客値段をふっかけてくるようであった。

 その点、パパが最終的に気に入ったのは、スコット通りに沿って中心街を少し離れたFar East Plaza(極東商業中心と書くんだな、きっと)。ここにも、Lucky Plazaよりも多いくらいの店があるが、全般に最初に言う値段が結構Reasonable。値引きもあまりしないが、それでもLucky Plazaよりも安いようだった。ママのクリスチャンディオールのサングラスは、最終的にここで、パパが交渉のあげくに155ドル(1万円ちょっと)で買った。

 パパが悠くんを連れて二人で歩いていると、「ニセモノトケイ」のおじさんも声をかけてこないし、店やタクシーでも中国語で話しかけられたりする。ところが、ママと紘子を連れていると、日本語で話しかけられる。
「どうやって日本人を見分けるのかな?」
「目もとが違うわよね。日本人って二重瞼でぱっちりしているけれど、こちらの人って目が細いみたい。特に、目の上にお化粧しているのは日本人ね」
「それだけ?後ろ姿だったらわからないじゃない」
「だいたい服装と持ち物が違うわよ。日本人ってやはり高級そうな服を着ているじゃない。ブランド品を持っているし。シンガポールのファッションって日本の20年くらい前の感じね。ほら、あそこの女の子。あれ、日本人でしょ。ラフな格好をしていても雰囲気が他の人と違うでしょ」
「・・・ねえ、それって、僕の目が細くて、服装がダサイから日本人に見えないと言っているの?」
「それとね、こちらの人はスタイルがいいの。どの人もすらっと足が長くて、おしりが上がっていてね。日本人の女の子って、足が太いでしょ」
「う〜ん、なるほど」
足の長いパパは深くうなずくのであった。

●シンガポール本島

 ここでシンガポール本島の観光地についても少し。
家族全員で行ったのは動物園、マーライオン公園、蘭園、マウントフェイバーだけで、クラーク・キー・フェスティバル・ヴィレッジ、ハウ・パー・ビラはパパと悠くんの二人で回った。

 Zoolozical Gardens(動物園):オープンスタイルの動物園で、檻や柵が無く、動物たちがのびのびと暮らしているのが良い。結構広くて、歩いていると大変。1日がかりで遊ぶのならともかく、手早く見て回るには巡回バス(正確にはバスじゃないなあ、なんといったらいいんだろう、いわゆるトラムカー)に乗るべき。4枚のチケットがついて2ドル(140円)。

 ここでは、家族全員でオラウータンと写真をとった。シンガポール動物園と書いたカバーに撮ったポラロイド写真を入れてくれて全部で4ドル(280円)。ママはこの家族写真がとても気に入って、日本で焼き回すのだという。ポラロイド写真からの焼き回し料金は近所の写真屋で聞くと、1枚300円。日本って高いなあ。

 それと、象にも乗った。鞍もなんにもない象の背中に乗り、そのまま30mほど歩いてくれる。象の背骨がごつごつして痛い。悠くんの感想は、
「ちくちくして、はりねずみみたいだった」

   マーライオン公園:マーライオンは写真で見るそのまま。「世界3大がっかり」のうちのひとつだそうだ。(世界3大がっかりて、あと、アムステルダムの人魚の像ともうひとつ何だったかなあ)

 Clarke Quay Festival Village:この施設は新しい。93年11月にオープンしたばかりだそうで、シンガポール川沿いに新しいショッピング街とアトラクションがある。アトラクションはディズニーランド形式で12人乗りの船に乗って、中国様式の人形や建物の中を回るのに乗った。ディズニーランドの「カリブの海賊」と「It's a small world」を一つにして、ちゃっちくしたようなもの。わざわざ、シンガポールまで来て乗るようなものでは無い。ただ、回っている時間は結構ながく、悠くんは十分に楽しんでいた。ここの屋台のサテーとかフランクフルトは美味しかった。

 Haw Par Villa:万能薬タイガーバームで巨万の富を設けた人物が子供たちのために作った遊園地で、いわば、ミニディズニーランド。ショーをやっていたり、船に乗って龍の中をめぐったり、急流下りがあったりするけれど、いまいち金がかかっていない。やはりシンガポールまで来て訪れるほどのところでも無いと思う。ショーはなかなか楽しめたし、悠くんは急流下りが気に入って2回もチャレンジしたけれど、まあそれだけのもの。四国のレオマワールドのほうがずっといい。

●ディナークルーズ

 World Trade Center(世界貿易中心)からいろいろなクルーズがでている。毎晩レストランでは味気ないので、ホテルの観光案内カウンターに行ってディナークルーズを頼んだ。大人80ドル、子供45ドルという、けっこういい値段なので期待したが、正直いってこれは期待はずれだった。

 指示された通り夕方5時45分に世界貿易センターに集まってみると、次々に来る人はみんな日本人。最後に日本人の団体がバスで乗り付け、待合い所はまるで高浜港(ローカルですみません。知っている人はわかるかな)。内訳はおばさん30%、おじさん20%、ギャル(死語)が30%、子供が10%、若い男が10%。家族連れ、母親と娘という組み合わせが多く、女の子3人組というのがときどき混じっている。意外だったのは、日本人の若いカップルは少なく、むしろ中国人のカップルが(間違って?)参加していて肩身の狭い思いをしていた。

 船は200人乗りくらいの2階建ての高速船で、中央にサービスカウンター、前後に4人がけのテーブルが並んでいる。2階は本来は喫茶室らしくソファータイプの椅子と小さなテーブルであるが、何しろ日本人が大挙して攻め込んでいるので団体さんは2階のテーブルについて船は超満員になった。

 6時出航。出航したとたんすごいスピードで海岸にそって西に進む。無数のタンカー、貨物船の間をぬって暴走する。食事はバイキング方式で自分でよそおうのだが、立っているのが難しいくらい揺れ、重心の低いおばさんでもよろよろしている。
「これは、作戦ね。船に弱い人は酔ってしまって食べられないでしょ。いっぱいとろうとすると、こぼれるし・・・」
とママ。
確かに、船に酔ってしまって甲板でうずくまっている人がいた。

 食事が終わり、夕闇があたりを包んで貨物船の灯さえ綺麗に見えてくるころになると船はスピードをゆるめ、1階の中央前方ではショーが始まる。ママと子供たちはショーを見て、最後に一緒に写真を撮ってもらっていた。パパは甲板でシンガポールの夜景を堪能する。セントーサ島のホテルも海から良く見え、イルミネーションが綺麗だった。

 このクルーズも、適正な人数でゆったりとしていればいいのかも知れない。だけど旅行シーズンで大挙して日本人が訪れる時は、止めたほうが良い。少なくとも、一家で300ドル近い金を払う価値は無いと思う。バイキング料理だってあまり美味しくないし、なんといっても忙しい。6時に出航して8時まで、たった2時間の間に飲んで食べて、ショーを見て、夜景を見てと、ゆったりできる時間がない。

●通信環境

 さて、ここで通信環境についても少し。
 最近、仕事で外国に出張する時にはパソコン(PC-9801NL)とファックスモデムを持ち運び、米国のCompu-Serveにアクセスしてニュースを仕入れている。今回もホテルからシンガポール市内のINFのノードから入ってCompu-Serveに入ることに成功。さらに、そこからNifty-Serveに入って日本のニュースを手に入れた。ただ、文字化けがひどく10文字のうち1文字くらいは違う文字に変換されていた。それでも、いつみさん死去のニュースをすばやく手に入れ、ママに感心された。
 それはそうと、シンガポール市内のノードから日本のNifty-Serveに直接入る方法を今度聞いておこっと。

 ホテルではルームサービスに電話すると、トランスとアダプタを無料で貸してくれる。また、電話は日本と同じモジュラージャックなので、全く問題がなかった。フランスやドイツ、イタリアでは馬鹿でかいコネクタを相手にネジ回しとワニぐちクリップを駆使してモデムを接続していたパパであるが、今回は腕のふるいようがなかった。

●シンガポールの感想

 外国旅行をした人に「どうだった?」と聞くと、シンガポールに行った人はみんな「良かった!」と言う。ハワイはほとんどの人が「良かった」と言うけれども、何人かは「混んでいて良くなかった」とか「サービスが悪くて」とか「治安がね」と文句を言う。パパの経験では10人に聞くと、
 シンガポールは  10人中 10人
 ハワイは     10人中  8人
 ヨーロッパは   10人中  6人
 アメリカは    10人中  4人
 中国は      10人中  2人
 ロシアは     10人中  0人
が「良かった」と答えるようだ。(パパは仕事でロシアに2度、3週間出張し、さんざんな目にあった。地獄を見たので、逆に天国を見たいというのが今回シンガポールを選んだ主な理由:ママ注)

 では、我が家族にシンガポールの印象を聞いてみましょう。
 ママ「今までの旅行の中で一番良かった。夢のようだった(うっとり)」
 紘子「とっても良かった。噴水と水族館がすてき」
 悠 「泳げるようになったのでよかった」
 パパ「以外と安くついたなあ・・・」

●おわりに

 とりとめのない旅行報告を書いてしまいましたが、すこしでも誰かの役にたてば幸いです。私も、シンガポールに出かける前日にシンガポール関係の旅行記をまとめてダウンロードし、飛行機の中で読みました。どんな旅行案内書よりも、肌で感じた生の情報は貴重だと思います。読ませて頂いた方々に感謝するとともに、この拙文も次に行かれる方の目に触れ、何かのヒントになることを祈ります。読んで下さった方、どうもありがとうございました。

−おわり−

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