古城街道の呪われた城

Cursed Caste in the Castle Road in Germany


ドイツのハイデルベルグからネッカー川沿いに古城街道があります。ある日、レンタカーで通りかかった時、泊まれるお城として人気ナンバーワンというヒルシュホルン城に電話してみました。すると、いまキャンセルがあって、メインビルディングの方に部屋を用意できるとのこと。ラッキー♪これは泊まらなくちゃと、予定を変更して城に向かいました。

城はネッカー川沿いの町並みから坂を少し登ったところにあります。古い城壁の門をくぐって中庭に駐車して、大砲を見ながらお城の入口に向かうと支配人がニコニコしながら迎えてくれました。

支配人に私の部屋として案内されたのは最上階の部屋です。歴史を感じさせる石造りの部屋で、金ピカの洗面台に天蓋付きのベッド。窓からはネッカー川と町並みが一望のもとに見えます。

下の階には、オシャレに改装された部屋もあるようですが、やはり古城の部屋というのはこうでなくちゃ、という感じ。本来は人気があって予約できない部屋に泊まれたことに満足しました。


荷物を片付け、シャワーを浴びてから、下のレストランへ。ネッカー川を望むテラス席と、白いテーブルと真っ赤な椅子が印象的な室内レストランがあって、テラス席がけっこう賑わっています。私は一人なので、室内の片隅のテーブルへ。

料理を注文して、ワインを飲んでいると支配人がやってきました。欧米のレストランではひとりで食べていると、シェフやウェイターがやってきて、何かと相手をしてくれることがあります。本来、ちゃんとしたレストランでは、カップルとか、グループでわいわい楽しみながら食べるのが本当で、ひとり客だとフルコースの時間がもたないだろう、そこでサービスの一環として話し相手になってくれるのです。

とはいえ、最近はスマホがあるので、メールを打ったり、調べ物をしたりで時間をつぶせるのですが、わざわざ来てくれたので、話し相手になってもらいました。

「日本のどこから来たのか?」
「東京だ」
「俺も東京に行ったことがある・・」

という普通の会話から始まって、
「この城の歴史を知っているか?」と支配人。
「いえ、何も」
「この城の城主だった、ヒルシュホルン家の当主が彼の従兄弟と争いになり、決闘して従兄弟を殺してしまった。その従兄弟の母はヒルシュホルン家を深く恨み、その呪いでヒルシュホルン家の息子たちは次々に亡くなり、とうとう城主自身もなんとかの戦いで死んでしまった」

などという、呪われた城の歴史をいろいろ話してくれました。また、牢があって罪人をむごい方法で殺した。この城から流れ出す水は地面の赤土の影響で、赤く濁るのだが、それはその罪人たちの血の色だと信じられている・・・

そして、最後に、
「お前の泊まっている部屋は、その城主の部屋だったところだ。他の部屋は大きく改装されているが、お前の部屋はできるだけ昔の雰囲気を残しているんだ」
と言い残して行ってしまいました。

それらの話を聞いてから部屋に戻ると、部屋の雰囲気が違っているような気がします。ベッドそばのライトだけにすると、暗闇の向こうにヒルシュホルン家の当主が立っていそうです。

「参ったなあ・・・」と思いながら、眠れぬ夜を過ごしたのでした。

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