小池百合子氏が作った豊洲問題


豊洲市場について、小池知事が記者会見し、『移転は、早くとも1年後。移転以外の可能性も考える』とのこと。

すっかり『危険な豊洲市場』というイメージがついてしまったので、そのほとぼりを醒ますのに最低1年は必要という事なのでしょう。

『盛り土をしなかったために、こんなに危険な豊洲市場になった』、というニュアンスで非科学的な報道を続けた大手マスコミは、そろそろ、自分たちが本当に何が危険と思って報道をしたか検証すべきです。それがなければ、単に、事実に基づかず不安を煽っただけになってしまいます。

技術的にみれば、盛り土により『臭い物に蓋』をしてしまうより、建屋の地下にモニタリング空間を設けて定期的に検査を行う方が、安全性からも費用の点からも優れています。

まず、強アルカリ水が溜まっていた問題。コンクリートの炭酸カルシウムが溶け出した『強』でも何でもないアルカリ水だった訳で、これは地下室の水の浸み出し防止処理を施せば簡単に解決できます。まだ、工事途中の現場で単に水が溜まっている事を大騒ぎをしていただけです。

次に、地下水から環境基準を越える砒素、ベンゼンが検出された問題。7回の調査では環境基準以下で、8回目でやっと僅かに上回る値が検出されたということで大騒ぎをしていましたが、むしろ、7回にわたって環境基準以下、つまり飲み水にもできるくらいの地下水であったという方が、私には驚きです。試しに、大騒ぎをした東京都内の新聞社の地下水、テレビ局の地下水、都内の住宅地の地下水を調べてみるといいと思います。そのまま飲み水として飲用可能な地下水はどれだけあるでしょうか。

豊洲市場ではこの地下水を飲み水としては勿論、何にも使用せず、そのまま捨てるだけですから、排水基準を満たしていれば良く、何の危険もありません。

地下空間のために耐震性が劣っているのではないかという疑問。これも素人の発想です。建屋は地下室も含めて耐震設計され、十分な杭打ちをして耐震強度をもっている筈です。

揮発性のベンゼンが地下空間に滞留して爆発する、というトンデモ報道を日刊ゲンダイがやっていました。福島原発事故の時に、『東京壊滅、40万人死亡、タイムリミットは1年』などと書いた週刊現代といい、今回の日刊ゲンダイといい、講談社系の会社はどうしてこのような嘘の煽り記事を書くのでしょうか。もし、ベンゼンがそれほど大量に噴出するのであれば、地下空間なしの全面盛り土なんて、ベンゼンがどこに滞留するか分からないので、むしろそちらの方が危険です。

市場で使う海水についても、11月08日配信の週刊ポストの記事にあるように、豊洲の方が築地よりも綺麗です。

一方で築地市場は、老朽化して地震時の危険があり、雨が降れば下水が逆流し、ネズミが出没し、日射しのあるところに生鮮食料品が置かれ、豊洲よりも汚い海水を使っています。安全性に不安があるのは、築地なのでしょうか、豊洲なのでしょうか。

つまり、豊洲市場の問題は、全面盛り土をするという、公開されたり議会で説明をしたりしたものを修正しなかったという連絡通知の問題です。公開された情報に誤りがあるとか、議会説明が間違っていたというのは、あってはならない事であり、担当者、責任者、東京都は猛省をすべきですが、安全性の観点からは、『問題』ではありません。

全面盛り土をせよという委員会の勧告に従わなかったという点について、そもそも委員会の勧告とか決定というのは、それほど大したものではありません。私にも経験がありますが、役人が自分達の方針にお墨付きが欲しい時に委員会を作り、その勧告や決定をしてくれるようにメンバーを選定し、資料を用意するのです。委員会を作った時には全面盛り土の方針だったのでしょう。その後、技術的には建屋にモニタリング空間を作った方がいいという事になり、委員会の勧告と異なる技術仕様になったのでしょう。その時に、委員会を再度開催するか、勧告ではこうだが、こう改良したと議会説明すべきだったのです。つまり、安全性の『問題』ではなく、連絡通知やプロセスの『失敗』だったのです。

これを自身のパーフォーマンスのために、小池百合子氏が政治問題化した、というのが豊洲問題の本質であって、それに大手マスコミが無責任にも乗っかったという構図でしょう。

その被害は大きく、使用されない施設の減価償却費から、業者に支払われる補償費、築地の耐震補強費用など、これらは全て、最終的には税金として都民が負担するのです。都民としては、『正当な理由なく移転を延ばし、都民に損害を与えた』として、小池百合子氏を告発してもいいかもしれません。明らかに築地よりも安全な豊洲でなく、下水が溢れ、ネズミが出没する築地を使い続けることによる現実の危険もあります。それにしても、最も大きな被害は、『豊洲は危ない』という将来にわたる風評被害でしょう。豊洲に移転する業者も、この風評被害を最も怖れているはずです。

このような場合に、大手マスコミや小池百合子氏が使いそうな言い訳は、『安全と安心は違う』ということです。『確かに安全かもしれない、でも専門家でない普通の人が求めているのは安心である。現場の技術者たちは、安心だということを説明する責任があった』というもの。安心だと何度説明しても、そういう報道はニュース性がないからと行わず、自分たちで徒に不安を煽っておいて、何という言い草でしょうか。小池氏が政治問題化し、大手マスコミが不安を煽らなければ、普通の人は安心だと思っていた筈です。


福島から避難してイジメにあった中学生の手記が話題になっています。

科学的には、福島の子供達に放射線による被害はなく、遺伝子的にも全く問題ないということは証明されています。

にもかかわらず、放射能バイ菌といったイジメが通用するのは、科学的事実によらない、大手マスコミによる不安を煽る報道があったからです。大手マスコミによる無責任な報道や、有名人による無責任な発言は、風評被害を生み、家庭を壊し、人を殺すのです。