エコー(超音波断面映像)を見ながら点滴針を刺す


もともと見えている血管が細くて少ない上に、度重なる治療でそれらの血管もつぶれ、私の腕からの採血は難易度マックスになりました。

採血でさえ難しいのに、点滴針を刺すというのは至難の業です。

ところが、首から入れていたCV(中心静脈カテーテル)に細菌感染があり、それを抜いて、腕に点滴針を刺すことになりました。

担当医師が来て、両腕を丁寧にチェックしたあげく、まずは右腕に刺したものの血管に当たらず失敗。休憩を入れてから、左腕に点滴針を刺したのが、一昨日でした。

この点滴針が肘に近い上に、細い血管に微妙な角度で入っているようで、肘を曲げたり、腕を回転させると閉塞してしまうのです。そこで、ギブスをあてて、動かないようにしてどうにか使っていたのですが、とうとう昨日、完全に閉塞してしまいました。

まずは、担当医師が来て、入念に左右の腕を観察してから、左腕の手首の血管に点滴針を打ったのですが、やはり失敗。次に、右腕の採血に成功していた血管に打ったのですが、これも十分に血管に入らず、失敗。汗を拭きつつ『夕食のあとで、また来ます』と言い残して去りました。

夜8時。医師団4人が姿を見せました。担当医のベテランの医師がやはり入念に観察してから、左腕にチャレンジしたのですが失敗。更に、医師団の相談の後、右腕にチャレンジしてやはり失敗。血管の枝分かれの具合が普通の人と違うのだろうという結論です。

右写真は、右腕チャレンジの痕跡です。

医師団のうちの若手医師が『エコーを見ながら入れてはどうでしょうか』と提案しました。CVの時に使う超音波断層装置を持ってきて、まずは私の血管がどうなっているのかを調べました。すると、やはり深い位置に太い静脈が位置することが分かりました。隣には動脈も見えます。

動脈を避け、太めの静脈が皮膚近くにある(といっても1センチより深い)場所を見定め、針を打ちました。『もう少し左、そうそう、そのまま真っ直ぐ』などと断面映像をみながら一人が指示を与え、ベテラン担当医師がそれに従って針を操作して、とうとう、太い静脈に点滴針を打つことに成功しました。

足元の所で固唾をのんで見守っていた担当看護婦の雪子さんが私の足先にタッチして、『○○さん、やりましたよ!』という声を発しました。

成功した点滴針は、右写真のように肘と手首の中間にあり、肘も手首も自由に動かすことができます。また、太い血管に入っているようで、流量がとても安定しています。


4人の医師団と看護婦さん達が見守る中、2時間におよぶ処置でした。

午後9時過ぎ、医師団たちが去って行く時の『いい仕事をした』という満足げな表情が印象的でした。単に、点滴針を1本打ったというだけの事だったのですが・・・