日本を元気にするための提言


今朝のニュースで新潟県知事選の結果が報じられていました。長岡市長の経験を持ち、自民・公明が推薦する森民夫氏が勝つと予想されていたのですが、原発再稼働を争点にした、米山隆一氏が当選したとのこと。原発再稼働は危険だと思う『リスク評価の出来ない人』がまだこんなに多いのかと暗澹たる気持ちになりました。

このような『民意』が示されれば、今後、東京電力の宝である柏崎原発ばかりでなく、他の原発の再稼働も遅れるでしょう。それは、地域経済の停滞を招き、ひいては日本経済の停滞を招きます。国産エネルギーという貴重な財産があるのに、年間3兆円という国富を海外に垂れ流し、いわば血を流しながら元気になれというのは無理です。もう、いいかげん、『自分で自分の首を絞める』のを止めませんか。

歴史をみれば、国が滅ぶのは、その国民が堕落するためでなく、それまでその国を発展させてきたその国民の特性やシステムが行き過ぎたり、時代環境の変化によりネガティブに働くようになるためです。

いち早く、議会民主制を完成させた大英帝国は、一時は世界中に植民地を持ち、7つの海を支配しました。しかし、その民主主義により、国の持つリソースの分散が進み、低迷し、そして、国民投票で国の重要事項を決めるという愚を犯すことにより、EU離脱というイバラの道に入っています。

古くは、ローマ帝国は『法のもとの寛容』により、多民族、さまざまな宗教を統合し、平和な一大帝国を築きました。ところが、寛容が過ぎてキリスト教が蔓延し、現世よりも来世を頼む人が増えて、北方民族の襲来を招き滅亡しました。我々は、民族大移動によってローマ帝国が滅びたと教科書で習いましたが、北方民族の襲来はローマの歴史を通して常にあったのです。五賢帝のトライアヌス、ハドリアヌス時代であれば、どんな北方民族が襲来しようと簡単に撃破していたことでしょう。

日本は、戦後、日本人の真面目さ、勤勉さ、正確さ、高機能製品へのこだわり、によって発展してきました。Made in Japan は、高機能・信頼の証でした。時代の『空気』も、戦後復興、所得倍増という目標に向けて、日本の持てるリソースを集中化し、一時は Japan as Number Oneという時代を築きました。

ところが、世界のグローバル化により、日本人の真面目さ、慎重さは、決定の遅延を招くようになりました。高機能製品はガラパゴス化して、世界の標準化仕様に合わなくなりました。また、真面目さが進みすぎて、コンプライアンスが日本を萎縮させるという状況を招いています。

もう、『自分で自分の首を絞める』のを止めませんか。社会のルールをもう少し寛容にして、若者に政治を取り戻し、若者が元気で夢を持てる日本にしませんか。リスクゼロを目指すあまり、社会の停滞、国家の衰退という大きなリスクを招くのを止めませんか。

考えてみれば、日本ほど凄い国は世界にないのです。

日本は小さな島国ではありません。確かに国土面積は世界60位くらいですが、排他的経済水域を含めた面積は、世界7位で世界の大国です。人口としても、例えばロシアなどにひけをとりません。

何といっても、日本の強みは、日本人の真面目さ、勤勉さ、民度の高さ、責任感、教育水準、進取の気性、が残っていることです。また、それにより、日本人と日本製品が世界で信頼されていることです。東日本大震災や熊本地震などで示された、日本人の整然とした強さ、助け合い精神は世界を驚嘆させました。他の国だったら、掠奪や物資の奪い合いが生じていたでしょう。加えて、日本の科学技術開発力や、匠の技術は、いまだに健在です。アニメやポケモンなどのゲーム、いわゆる『オタク文化』も世界の若者のある層に深く食い込んでいるところです。

世界は民族戦争、宗教紛争の時代に入っており、キリスト教とイスラム教、イスラム教の中のスンニ派とシーア派という一神教同士の戦いは今後も続くでしょう。それを解く鍵は、多神教である日本こそが握っています。ただ、宗教というイデオロギーに凝り固まった国々へ日本が積極的に関与するのは極めて危険です。しかし、それらの国々から日本への訪問者が増え、日本では、宗教なしで、高い道徳性や倫理感が維持され、清貧を良しとし、隣人を愛する生活があるということを知ってもらう事は、世界の宗教的寛容の精神を高める一助となるでしょう。

日本はまだまだ『イケている』のです。

日本を元気にするための提言

1.日本のリソースを無駄にしない
2.日本の強みを認識してそれらを生かす
3.世界の信頼に応え、ブランド力をあげる
4.リアリズムに徹して国際紛争を回避する

ことが必要だと思うのです。


具体的には・・・

1.原発は安全審査の終わったものから速やかに再稼働し、外国に垂れ流されていた資金で、自立的安全性を持つ第3世代、第4世代原発の建設を進める。福島の原発事故と安全審査を経た日本の原発を、世界で最も安全な原発として、海外への輸出を進める。中国の安全基準で中国に400基もの原発が新設されれば、日本にとってその方が大きなリスクです。そのためにも、日本の原発の安全基準を世界の標準にする必要があります。

逆に、マスコミやイタイ大人たち、反原発の人達の大好きな太陽光発電については、そろそろきちんとした検証が必要です。基幹エネルギーとしてはもちろん、現時点でも電力網への寄与は微々だるものだという現実、再生エネルギー賦課金は、各家庭で既に毎月500円程度の負担になっていると思うのですが、その金は日本国内でなく、中国に流れているという現実。これは先行するドイツの例(ドイツの太陽電池会社Qーセルズは価格競争で中国に負けて倒産)をみても予想されたことです。太陽電池は半導体ですから、その製作には多くの有害な化学薬品を使います。それを川に垂れ流している国にコストで勝てる筈が無いのです。それでも太陽発電のコストは原子力や天然ガスと比べて3倍です。つまり、各家庭で負担している再生エネルギー賦課金で、中国における大規模な環境汚染を引き起こしているのです。中国だけならともかく、日本においても、砒素などの有害物質を含む使用済みの太陽電池の処理は、将来、大きな問題となるでしょう。(注1)

2.福島における無駄な除染作業を止め、その分を今後予想される南海沖地震や首都圏直下型地震の対策に向ける。世界保健機関(WHO)も言うように、1mSv/年という非現実的で何のメリットも無い除染は止め、風評被害を防ぎ、避難者の帰宅を進めるべきです。20mSv/年としても、何の統計的な被害はないことは科学的に分かっています。そんなリソースがあれば、何万人という人の命を防ぐための対策に回すべきです。

3.日本にしかできない高付加価値、高信頼性の製品の産業育成に努める。例えば、医療産業は21世紀以降の重要な産業です。半導体やスマートフォンは、製造機械さえあれば(高性能の製造機械の技術は日本が未だに握っていますが)、韓国や中国、台湾ですぐに大規模で安価な製品を製造できますが、例えば、最先端がん治療のホウ素中性子捕捉療法(BNCT)や核医学、陽子線や重粒子線治療などからなるメディカルコンプレックスは、医学・薬学・放射線・物理・加速器などの幅広い学術的・技術的裾野が必要で、韓国や中国が一朝一夕に追いつこうとしても無理です。特に、医療の基礎となる安全文化については、日本人の真面目過ぎる特性があってこそ成り立つものです。

電器製品なども、高価格・高付加価値の日本にしかできない製品を目指すべきです。高解像度の動画壁紙配信といった新しい用途が新しい需要を作るのです。

一時、アイデンティティを失っていたソニーが、やっと本来の『大人のオモチャ』路線に戻って業績を高めています。超高感度一眼レフカメラ・α7sとかの撮像センサー技術を生かした製品とか、最近のLSシリーズの製品(超短焦点プロジェクター、グラスサウンドスピーカー)とかいいですね。

右写真は、超短焦点プロジェクター(LXPX-P1)で、時計を壁に映しているところ。壁の近くにポンと置くだけで、壁一面に高解像度の画像を映すことができます。発売直後から品薄で、プレミアが付いて販売されていました。こういう製品は、高くても売れるのです。


4.中国と韓国を除く世界の人々の日本と日本人に対する好意や信頼は本物です。私も、これまで世界の国々で、日本人ということでとてもいい目をさせてもらいました。そして、最近増えている訪日外国人が、日本人の民度の高さや古い伝統、そして最新のテクノロジーを体験しているのはとてもいい事だと思います。日本のブランド力を上げるひとつの提案ですが、成田空港−東京−羽田空港を結ぶ、リニアモーターカーの建設はいかがでしょうか。リニアモーターカーに適当な真っ直ぐなルートを選ぶことは難しいと思いますが、それこそ、日本の技術力の見せ所です。成田空港を降り、複雑でカーブのあるルートを快適に高速で走り抜けるリニアモーターカーに乗った訪日客たちは、『さすが、科学技術の国、日本だ』と目を見張るでしょう。そして、更に、日本の古い歴史や日本のこころに触れて、日本への尊敬を新たにするでしょう。

5.冷戦が終わり、民族紛争や局地紛争の時代になった現在、戦争を回避し、平和を維持するためには、『平和憲法厳守』などという『お花畑理論』に基づく机上の空論を止め、膨大な情報に基づく綱渡り外交が必要です。日本は核戦力は持ってはいけませんが、『持とうと思えばいつでも持てる』というスタンスを維持することは、核抑止力として有効です。憲法改正でいえば、平和憲法としての前文や第9条第1項はそのままで残してもいいと思いますが、第9条第2項『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』は改正すべきです。頭の固い憲法学者に言われるまでもなく、自衛隊は軍隊です。


注1)