採血−血管の見えるひとが羨ましい

Blood sampling


病院ですから、血液検査は日常茶飯事。抗がん剤治療中は、点滴針(中心動脈カテーテル)からの採血が主ですが、37.6度以上の熱が出た時には、細菌培養検査のために、カテーテルからの採血の他に、腕など他の場所からの採血も必要となります。また、カテーテルを抜いている時には当然ながら腕からの採血になります。

問題は、私の場合、腕の血管が奥の方にあって採血が難しいこと。

健康診断の時にも、失敗することが多くて、針を刺してから血管を探していることがあるので、
『一旦、抜いてから、やってくれませんか』
と頼むことも多いのです。

これが、抗がん剤治療で血小板が少ない時だと大変です。

血が止まらないで、内出血するのです。

写真は大晦日の夜に熱が出て、細菌培養用の採血を右腕からしようとした時の写真です。1回目、2回目と失敗し、内出血はするは、血はなかなか止まらない。可哀想な看護婦さんは3回目をやる自信を無くして、一旦、看護婦詰め所に戻りました。ところが、大晦日とあって、ベテランの看護婦さんもいなかったとのこと。とはいえ、採血できませんでしたと言う訳にもいかないといので、看護婦さんは困ってしまいました。

そこで、前の病院の時に左手首から点滴針を通していて、その跡がくっきりと残っていたのを思い出し、
『ここなら間違いなく血管があるから、そこからどうでしょ』
と提案して、どうにか採血に成功したのでした。


その後、通院で血液検査を受けた時には、採血室に行きました。居並ぶ看護婦さんの一人に両腕を見せて
『どちらから採血します?』
と問いました。

左腕はカテーテルを抜いた跡が生々しく、また、右腕は上の写真のように内出血の跡があります。

すると、その若い看護婦さん、う〜んと唸ったあと
『すみません。別の人を呼んできます〜〜』と言って、奥へ走って行きました。
その採血室には、5人くらいの若い看護婦さんが並んで採血をしていたのですが、そのうちの一人が
『決断が男らしい』
と誉めて、みんなもそうだ、そうだと同意していました。

しばらくして、ベテランらしい年配の看護婦さんが来て、
『左腕はまだ痛そうですね』といい、
何の躊躇もなく右腕に針を刺して、一発で採血に成功しました

『さすがですね〜』と私もとても感心したのでした。

最近は、看護婦さんの腕を見て、白い肌に血管が浮かんでいるとつい『いい血管だなあ』と羨ましくなります。

ある看護婦さんに、思わず『いい血管ですね』と言ってしまいました。

『曲がってなくて、真っ直ぐだし、すごくきれい』
『ありがとうございます〜』
『あっ、すみません。変なこと言っちゃった』
『いえ、私なんかも腕の血管をよく見ます。職業病みたいです』
『羨ましくて、つい』
『でも、採血が簡単だからって、看護学校の時に練習台にされて大変でした』