玉川温泉でガンを治す


秋田県の田沢湖から北上して鹿角市花輪を結ぶ、国道341号線沿いに玉川温泉があります。秋田県と岩手県の県境に近い、北東北のど真ん中の山の中です。

この温泉は、知る人ぞ知る『ガンが治る温泉』として有名で、全国からガンの患者さんが集まり、長期の湯治を行っています。

観光を兼ねた短期の湯治の場合には、すぐ近くに新玉川温泉という新しい施設があって、そちらに宿泊するので、玉川温泉は殆どが長期の療養患者とその家族です。

この温泉を有名にしているのが、ラジウムを含む温かい岩盤上で行う岩盤浴です。

宿から5分ほど歩いた所に、掘っ立て小屋風の建物3棟があり、その中で岩盤浴を行っています。天気の良い日はもちろん外で開放的に岩盤浴するのもOK。

10人程度入れる混浴露天風呂もあり、観光客の前で裸になれる度胸があれば、風呂も楽しむことができます(もちろん、私はその度胸がありました)。


これが玉川温泉に湯治に来る時のスタイル。

岩盤浴の時に地面に敷く、ゴザが必携です。ガン治療のための本格的な岩盤浴は、ゴザだけでなく、タオルや毛布、低温やけどしないための服装、水分補給の水なども必要ですが、まあ、屋外でハイキング気分ならゴザだけでOK。


宿から岩盤浴の広場に行く途中に、『大噴』と呼ばれる、玉川温泉の吹き出し口があります。

98度C,超高酸性(PH=1.2)の湯(塩酸)が1分間に8,400リットル吹き出しているのです。一箇所からの噴出温泉量としては、日本一です。

玉川温泉はこの一部を宿に引き入れて使っていて、そのままだと強すぎるので(源泉浴槽もあります)、薄めて浴槽に流しています。


玉川温泉でガンが治ったという人の手記はたくさんあって、それが評判を呼び、全国からガン患者さんが集まっているのですが、なぜガンが治るのかというと以下の組み合わせだと考えられます。

1.ラジウム岩盤浴による、放射線ホルムシス効果(100mSvを越える放射線はガンの危険性を高めるが、それ以下の微量の放射線は、むしろ身体の活性を高めて、ガンを治す。国際放射線防護委員会(ICRP)の罪をご参照ください。)

2.同じガン患者さんとの交流を通じて『自分だけが苦しんでいるのではないんだ』、『一緒に頑張って生きよう』という意欲が高まり、免疫機能が高まる。

3.温泉で身体を温め、山の中の綺麗な空気と水、地元食材を使った美味しい料理。宿の人々の暖かさ。

まず、放射線についてですが、岩盤浴広場あたりの最大放射線量は、5マイクロシーベルト毎時(5μSv毎時)のようです。1年間に直すと、0.005x24x365=43.8 mSv。年間43.8ミリシーベルトです。確かに、100mSv以下でホルムシス効果が出そうな領域ですが、岩盤浴をしているのは昼間だけですし、毎日、少しずつ浴びる慢性被爆なので、それほど効果ないかなと個人的には思います。

私が絶対効果があると思うのは、2.と3.です。

玉川温泉の食堂に入って食事をしました。食堂の中は殆どが中年から年配のカップルです。一人はみるからに病身で、もう一人の方がそれをかいがいしく世話しています。宿は山の中ですから、宿から何ヶ月も出ることなく、一つ部屋でカップルが生活しているのです。いくら仲のいい夫婦だって、常時一緒にいればイヤになる、喧嘩もするでしょう。ですから、全国から選りすぐられた仲のいいカップルがガンを治そうと一緒に頑張っているだと思いました。

特筆すべきは、宿の従業員の方々が親身で親切なこと。病身の人をいたわっているのがすぐに分かる対応です。ひとりの方がお膳を落とし、食事が床に散らばりました。すると『いいですよ、いいですよ、すぐ代わりを持ってきますから』といい、仲居さんたちが総出ですぐに片付けました。

食事も安くて美味しいし、ここの湯治っていいなと思った私は、その時、妻に向かって、『僕がガンになって余命が見えたときには、ここで湯治する!!』と宣言したのでした。


しかし、客観的にみて、それだけでガンが治るとは考えられません。殆どのガン患者さんはここで希望を持ちながら、やはり、過酷な予後が待っているのだと思います。患者の免疫機能を最大限に発揮しても、なお、ガンに負けてしまう。

そこで、有効なのが、最先端のガン治療法として開発中の加速器を用いた『ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)』です。

現在、加速器を使った最先端ガン治療として、陽子線治療器や重粒子線治療器があります。通常の放射線治療と違って、周囲の正常細胞を破壊することなく、局所的にガン細胞のみをやっつける『身体に優しい治療方』というので、保険適用外で250-300万円程度の高額医療ですが、全国にたくさんの施設ができています。

それらに増して、身体に優しいのが『ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)』です。この方法は、ガン細胞に中性子捕捉断面積の大きなホウ素薬剤を取り込ませておき、中性子を照射することでガン細胞だけを選択的に破壊するものです。健康な細胞にダメージを与えないため患者への負担が少なく、他の粒子線等の治療では困難な浸潤ガン、多発性ガン、再発ガンにも有効です。詳しくは、最先端ガン治療 BNCT
最先端ガン治療 BNCT(その2)
をご覧ください。

現在の陽子線や重粒子線は10回程度に分けて照射する必要があり、どうしても時間とお金がかかります。BNCTの場合には、基本的に1回、20分程度の照射でガン細胞のみをピンポイントで殺すことができます。設備自体としても、陽子線の半分、重粒子線の1/4程度のコストなので、照射の費用も大幅に安くなるのではないでしょうか。


この施設を、玉川温泉には無理でも、田沢湖畔あたりに建て、玉川温泉から通う。1回、多くても2回程度の照射ですから、患者さんの移動もそれほど負担にならないと思うのです。田沢湖畔であれば、人気のある乳頭温泉郷などでも、利用する人がいるでしょう。

温泉地での交流や夫婦の愛情を通して患者さんの免疫力に期待しながら、健康な細胞を残してガン細胞のみを叩く。理想的なガン治療になるのではないでしょうか。湯治場と最新がん治療施設を組み合わせた、新しい病院です。

もし、私が健康を回復したら、頂いた命をそういう患者さんのためのプロジェクトに使うことができればと思うのです。