妻のこと ーその2−

About my wife -2-


私達の新婚旅行は、東北でした。結婚式のあと、参加者に見送られながら松山港から観光船で大阪港に着き、大阪空港から花巻空港にYS-11機で飛んで、花巻温泉で最初の夜を迎えました。

東北地方なんて一生行くことは無いだろう、だから新婚旅行でという理由で選んだのですが、東北が第二の故郷になるとはその頃は夢にも思いませんでした。

4月に退院してから、8月に再発するまでの間に、新婚旅行の地を37年ぶりに訪ねました。写真は、宮沢賢治ゆかりの花巻市のイギリス海岸です。小説などでしか知らなかった北上川を実際に見て感激したのを覚えています。


入院してから、妻は毎日のように見舞いに来てくれます。

ある日、今後の治療について話していたら、妻が涙を浮かべて

『貴方が居なくなると考えると、世界から色が無くなってしまう気がする。どんなになってもいい、1日でも長く私の側に居て欲しい』

と言いました。

駒込病院で骨髄移植について聞いた時に、私の年齢と症状で骨髄移植するのはかなりのリスクを伴う。うまく行く可能性は3,何か後遺症が残る可能性が3,そして治療中に亡くなるのが4と言われました。

私自身としては、もう覚悟をしており、苦しい骨髄移植治療を受けるよりも、緩和ケア的な治療をしてもらって楽になってもいいかなと思って居たのですが、妻の涙を見て、骨髄移植にかける決心がつきました。

何らかの後遺症が残っても、妻とともに、残る人生をできる限り長く一緒に過ごしたいと思います。

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